名青税シンポジウム

平成17年1月22日(土)
13:30～16:45

名古屋税理士会ビル2F

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開　会
平成17年1月22日、定刻の１時半を３分ほど過ぎたところで、恒例の名青税シンポジウムが始まりました。例年どおり研究部と制度部による合同発表会です。


	制度部の岡崎部長司会のもと、小林会長に続き、今日は東京で会議の予定があったにもかかわらずこのシンポジウムに顔を出すために名古屋に残ってくださった全青税の中西会長のご挨拶をいただいた後、いよいよ始まりです。

【第１部】『親族をめぐる税務問題』／研究部
最初は研究部。テーマは秋の全青税シンポでも取り上げた『親族をめぐる税務問題』。手元に配られたレジメを見ると今回は３部作仕立てで、30分しかなかった全青税シンポのものから大幅にボリュームアップしたフルバージョンのようです。　国民的アニメ番組“サザエさん”を題材にしているようですが、なかなかショッキングなタイトルが並んでいます。「波平とフネの離婚」、「磯野家、保証債務履行で大ピンチ」、「サザエの顧問税理士は、マスオ？」・・・どんな展開になるのやら…。


第１話　「波平とフネの離婚」
波平の不貞やＤＶに悩まされたフネは離婚を決意。“桃税”会員という怪しげな桃田税理士に相談した場合の“下手な離婚のしかた”と、青税会員でおまけにかっこいい青田税理士に相談した場合の「上手な離婚のしかた」を紹介。贈与税、所得税、さらには不動産取得税や民法上の問題(証拠収集，離婚協議書等)も含め、注意すべき点や上手な方法を簡潔に説明。スクリーンに映し出された漫画にセリフを入れた寸劇形式で抱腹絶倒(?)、眠くなる暇もありませんでした。




第２話　「磯野家、保証債務履行で大ピンチ」
大人になったカツオ君はスポーツクラブを経営、銀行員になったナカジマ君のつてで借入をして事業拡大したものの失敗、連帯保証をおこなった父波平は不動産を処分して返済に充てることに。しかし不動産を処分すれば譲渡所得税の対象になるのでは？…いえいえ、保証債務履行のための譲渡には特例があるんです（所得税法64条②）。というわけで、この点について、判例や通達も併せて解説。最後はハナゾノさんの婿取り大作戦にまで発展するというオチまで付いてました。




第３話　「サザエの顧問税理士は、マスオ？」
これは全青税シンポでも発表した内容。洋裁業を営むサザエは税理士であるマスオと顧問契約。ところが経費に計上していた税理士報酬を税務調査で否認されてしまいました。所得税法56条により、事業者が生計を一にする配偶者その他の親族に支払った対価は必要経費に認めない、というのが理由でした。納得いかないサザエとマスオ。裁判に訴えました（国税不服審判の過程は省略）。一審勝訴！（この模様を寸劇で紹介）なれど二審では敗訴。姉たちの無念を晴らすべく、一念発起したカツオ君は政治家を志し、○○年後、所得税法の改正を提案するのでした。　近年出た２つの判決が物議を醸し出したのが記憶に新しい、我々税理士にも身近なこの問題に対し、現行法の不合理さを説き、法改正を提案しています。





３話とも実によく練られた脚本の下、それぞれの出演者の熱演で素晴らしい内容に仕上がっていました。このまま移動劇団にでも展開したい素晴らしさですが、著作権に引っかかるおそれあり。つまりここでしか見られない爆笑劇場を見られた人は本当にラッキーでした。

【第２部】『税理士を取り巻く環境の変化とその問題点』／制度部
制度部の発表は、税理士を取り巻く近年の環境変化に着目し、内容を取りまとめるとともにその問題点についても検討して、各担当者がスクリーンを使って発表するというプレゼンテーション形式でおこなわれました。　「試験制度（税理士・公認会計士・弁護士）」、「ADR」、「会計参与」、「会計事務所の電子化対応」といったタイムリーな話題ばかりで、現在の、そしてこれから起こる環境変化についての最新情報を、整理された形でわかりやすく発表していただき、自分たちの実務において大変参考になるものだったと思います。








例年になく多数の研究・発表担当者の方々が携わったようで、非常に内容の濃い発表になりました。　いずれにおいても、半年以上に渡って研究・討議・練習・準備を重ねて今日の日に望んだ苦労がにじみ出た、完成度の高いものでした。研究部・制度部の皆さん、本当にお疲れ様、そしてありがとうございました。
閉　会


写真・文　　高桑誠一（広報部）